2013年9月24日火曜日

『天はすべて許し給う』

☆ダグラス・サーク監督/1955年/アメリカ

☆見るの・・・2回め

☆見た場所・・・自宅(シブツタレンタル)

☆なぜ見たか・・・「発掘良品」シリーズが100円で借りれたので


ダグラス・サーク監督作品のなかで、初めて見たのがこれだった気がする。
主演はジェーン・ワイマンと、ロック・ハドソン。

冒頭、ゆる~~~く動くカメラが、アメリカ郊外に立ち並ぶ家や木々を美しくとらえると、
「ジョン・ウォーターズ作品みたい!!」と思っちゃう。
本当ならジョン・ウォーターズを見てダグラス・サークを想起するのが正式なんだろうけど、
私は、ダグラス・サークのほうをあとに知ったので。
(ここからもわかるとおり、本当にジョン・ウォーターズ監督作品のフォルムはしっかりしてる!)

ジョン・ウォーターズの作品と異なるのは、そのあとに展開する物語もどこまでも美しく、
メロメロのメロドラマであること。
メロドラマ、つまり、
周囲には反対される!
けど、障害が大きいほど燃える!
性描写はなし!
美しい音楽(メロディードラマ)!
こんな感じの映画。

描かれる内容がいかに通俗的であっても、サーク監督の演出は微塵も通俗的ではないのです。
ここが韓国ドラマとの違い。(韓国ドラマ見たことないくせに)

ヘタな演出でやられたら失笑してしまうようなシーンも、
あまりの美しさに落涙してしまうようなシーンに昇華する、サークの魔法。

ジェーン・ワイマンは未亡人の役。
娘と息子は大学に通うために家を出ていて、広い家に一人で暮らす。

ロック・ハドソンは、ジェーン・ワイマン宅の若い庭師。
スローライフの先駆けみたいな感じで、ロハスな暮らしを楽しんでる。
この作品でも加山雄三に見えてやまない。その上、髪型がすごく変だと思う。

この二人が歳の差カップルと相成って、結婚をしたがるものの、
近所の俗悪な連中からはスキャンダラスに噂され、不当な迫害に遭う。
ジェーン・ワイマンの子どもたちからは猛反対を受ける。
愛し合ってるのに・・・ という映画。

計算しつくされたテクニカラーが美しい。色彩豊かに展開される季節。
ロック・ハドソンが庭師、というのも良い設定ですね。
そして階段や鏡の使い方が的確でお見事なのは、サーク作品の常。

ジェーン・ワイマンの娘役にも興味深い設定が。
心理学を勉強し、何かにつけてフロイト理論を振りかざしてくる、っていう、
あんまり仲良くなれなさそうな女の子なのだけど、
いざ「母が年下の庭師と再婚?!」ってなると理論などどうにもならず、
もうオロオロと泣くのみ。
娘さん、メロドラマにフロイトはそぐわないのだよ。
恋に、理論もクソもないのだから!!!
書いててはずかしいわ~~。


トッド・ヘインズ監督によるリメイク作品『エデンより彼方に』も、私は好き!!
そっちもひさしぶりに見たくなりました。

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