☆見るの・・・3回め
☆見た場所・・・早稲田松竹
☆なぜ見たか・・・この映画が大好きすぎるので!
これはレンタルにないんですよね。おかしなことに。
それでもレンタルありますか?という問い合わせが多いからか、
シブツタのロメールコーナーには
「恋の秋のレンタルはありません!!!」みたいな紙が貼ってあるよね・・・
ロメール監督の作品が好きで好きで好きでもう大好きで、
映画館にかかると万難を排して駆けつけます。
どれもこれもべらぼうにおもしろい!
ロメールの映画を見るために劇場にむかってるときの心持たるや、
大好きなお友達に会いに向かってるときのウキウキ感、はやる気持ちの感じと同じだし、
見た後の充足感たるや、
大好きなお友達とハグ握手ハイタッチなんかしてるときの心境と同じ。
見た後、「ありがとう世界!!!」と叫びたくなりますね。
そこいら辺にいる人にむやみに握手を求めそうになる。
恋の秋も爆裂に好きで、毎回新鮮な感動と喜びが!!!
どうしてこんなに好きなんだろう。ロメール監督の作品が。
女性のうまれつきの(狙ってない、したたかではない)小狡さみたいなところを
びっくりするほどチャーミングに描いてくれて、ありがとう。
今回、併映の『冬物語』は残念ながら開映に間にあわず見られなかったんだけど、
同作品ヒロインのフェリシーがもう私は、ロメール作品のなかで一番くらいに大好きで。
習わずして博識、生来の哲学者。
彼女をめぐる男関係は見ようによってはドロドロ、
凡百の監督ならスキャンダラスに描いてしまいかねない。
けれどもロメール監督の視線はあくまで優しくて、素直。そう素直!!
『冬物語』を見たお友達(男性)が、
「あんな仕打ちをされたらフェリシーを殴りたくなる」とか言ってたけど、
ロメール監督は絶対に殴らないからね。
女の弱さも素直さも小狡さもちゃんと飲み込んでる。
どうしてこんな離れ業ができるのでしょう。
恋愛大国ってこういうことなのか(???)
女心がわかんないよ、という男性は、ロメール作品を研究するが吉。
ロメール監督作品の女性たちはみんな不完全で不安定。
でもそんな自分に嫌気がさして大人なのにポロポロ泣き出したりして、
なんかほんとに愛おしい。他人事とは思えない。
でも感情に寄り添うような演出は全然してなくて、
たとえば悲しい表情のクロースアップとかもなければ、
場面を盛り上げる劇的な音楽とかもない。
遠巻きにながめている感じ。
そのトーンがなんか全体に可笑しみを生んでいる。
ロングショットで見れば喜劇、ほんとそれ。
『恋の秋』は(やっとのことで本題)、中年女性マガリの恋物語。
女友達が、マガリの恋のために奔走する。
いいトシして色恋沙汰でうじうじ悩むなや!
とか誰もいわない。
いくつになっても恋するし、きっとみんなこんな感じなんでしょう。
ヒロインがふたりとも「超絶な美人」でないところもいいな~。
親しみやすい。
もう、ここら辺(↑)の一連のシーン、
あまりの幸せ&可愛らしさで涙が出てきましたよ。
生きててよかった、ありがとうロメールさん。
ちょっとしたすれ違いのあとに来る怒涛の多幸感を、
ワザとらしい感じもあざとさも全く無くほんとに素直に見せてくれる。
あとは自然描写。
これはほんとか知らないけど、秋はロメールがもっとも愛する季節、という噂があって・・・
それも納得の、木々のざわめき光のゆらめき、私はもう身震いしてしまう。
マガリがワイン生産者、という設定も素晴らしく効いていて、
「自然に共鳴する女心」を撮らせたら右に出る者無しのロメール監督ならでは、という感じ。
歴史ものは別として、ロメール監督が撮った作品の多くは、
「大事件」的なことが基本的に起らない。
(大事件的なことの例・・・殺人、不治の病、冤罪、列車強盗、牛泥棒、等)
恋する庶民たち、彼ら彼女らがあるきながら延々喋ってる様子を撮っている。
当事者にしてみたら「大事件」たる恋愛のあれやこれやを。
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