2014年6月29日日曜日

『虹を掴む男』

☆ノーマン・Z・マクロード監督/1947年/アメリカ

☆見るの・・・初めて

☆見た場所・・・自宅(シブツタレンタル)

☆なぜ見たか・・・ボリス・カーロフ氏の顔面見たさに


これ、見終わってプレイヤーにディスク入れたまま放置し、つまりは返却し忘れて、
その足で祖父母宅に2泊してしまった。
帰宅してDVD見よー、と思って、「なんかプレイヤーに入ってる!!!!!」と心底驚いた。
そんで数年ぶりに延滞料金を払うはめになりましたとさ。
度し難いポンコツだと思う。
今後この作品のことを思い出すたび、苦虫の味が口中に広がることでしょう。

さりとてそんな苦虫風味とは無縁の楽しき映画、虹を掴む男。
(ていうか、クソな映画を延滞しちゃったら立ち直れなかったと思うので、
 この映画がおもしろかったのが不幸中の幸いだと気づいた。ありがとうダニーケイ)


原題は The Secret Life of Walter Mitty
これで画像検索かけたら、
先ごろ日本でも公開されたライフ!とかいう映画の画像がたくさん出てきてびっくり。
ライフ!ってこれのリメイクなんですね!(見てないからしらないけどたぶんそう)


出版社に勤めるウォルター(ダニー・ケイ)には、極度の妄想癖が。
例1:石鹸の広告を見て、「水」のイメージからか、
吹き荒れる嵐の中で航海する帆船の船長として活躍する自分を事細かに妄想。
例2:社長が新企画「病院ロマンスもの」(何それ)の案を出すやいなや、
天才外科医として活躍する自分を長々と妄想。
あまりにヒドい妄想癖で、母親からも社長からもフィアンセからもボンクラと思われてる。
そんな彼、ある日の通勤中、知らない女性に急にキッスされる。
その女性は彼の妄想に毎回登場する、夢の美女だった!
その出会いをきっかけにウォルターは事件に巻き込まれていく・・・というお話。

ダニー・ケイさん、すぐに妄想に浸るお坊ちゃんという役がピッタリ。
情けなさとカッコよさと甘さの絶妙なバランス。(7:1:2くらい)
コメディというのは器用な人にしか出来ないのだなあと改めて思った。

声もいいから、妄想時のナレーションもなんかこっちまで妄想の世界に連れてってくれる。
妄想中にきまって響く、ポケタポケタポケタ・・・という擬音も楽しい。

船長、外科医、ガンマン、デザイナー、軍人・・・
妄想のなかでいろんなヒーローになるウォルター。
いかにも作りものめいたテクニカラーが、妄想によく映える!贅沢!
そしてベタベタな妄想内容にウォルターの甘ちゃんっぷりを見る。

周囲にとことんボンクラ扱いされる自分を、
大事にしてくれたのは、そして本当のヒーローにならせてくれたのは、
やっぱり妄想のなかのヴィーナスだった。

子どもじみた結末といったらそれまでだけど、なんとも夢があるじゃないですか。
これ、なんか物凄い寝不足のときに見たので少々ボンヤリしていて、
私もこれを見ているあいだずっと妄想に浸っていたような感じ・・・
ボンヤリしていたせいでストーリーの詳細とかきちんと記憶していないんだけど、
この作品のワクワクする滑稽さは妙に焼きついてる。


そしてもちろん、カーロフ氏の顔面も脳裏にくっきりと。
さすがおっかないですね、はは!
このわけわからんハゲかたももはや怖い。

最近グランドブダペストホテルのウィレムデフォー氏を見て確信に至ったのだけど、
やっぱりしわしわっとした怖い顔の俳優さんを見ると心が踊るね。
自分はどちらかというと平々凡々たるプレーンな顔立ちなので、
なんかすごい・・・これが顔なのか・・・!と思っちゃう。
スティーヴブシェミとかリーマーヴィンとかクリストファウォーケンとかさ、
居るだけで凄いもん。わーー、居る!!!ってなるもん。

カーロフさんはその見本みたいな存在で、ほんと、怖うま。
また声もすごい、心地よい低さ怖さにゾクゾク。耳元でなんか脅されたい。

各々の顔芸が光ってますね。(カーロフさんの眉毛すごっ)

各妄想に登場するヴァージニア・メイヨのコスプレも、
とんでもないナンセンスが猛襲する終盤も、ダニー・ケイ氏の虚勢も楽しい。


もう延滞するものか、という決意とともにここら辺でおしまい。

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