2014年6月1日日曜日

『恐怖の精神病院』

☆マーク・ロブソン監督/1946年/アメリカ

☆見るの・・・初めて

☆見た場所・・・自宅(シブツタレンタル)

☆なぜ見たか・・・準新作100円だったので、カーロフさん見たさに


『黒猫』を見ていらい、ボリス・カーロフさんのことが気になって仕方なくて・・・
 

それと先般読んだジェームズ・キャグニーの自伝に
「ボリス・カーロフ氏は役柄のイメージとは真逆で、本当に謙虚で慎み深い」
みたいな記述があった気がして、いま該当ページを探してたんですけど、
みつからないので気のせいかな?
でも謙虚なのは本当っぽい。なんとなく。


18世紀のイギリス。
精神病院を支配するシムズ(ボリス・カーロフ)は悪辣かつ残忍な冷血漢で、
患者に劇をさせて貴族たちに見せて笑いものにしたり(悪趣味)、
患者の身体じゅうに金箔を塗り固めて皮膚呼吸できなくして死に至らしめたり(謎)、
藁をしきつめた大きい部屋に大勢の患者を収容したり(不衛生)、
とにかく人を人として扱わない。
そんな惨状を変えるよう主張するネル(アンナ・リー)は逆にシムズらの策略により、
その精神病院に患者としていれられてしまう・・・というお話。


アンナ・リーはこんな様子で終始眼を見開いていて、なんかハトみたい。
(ハト+磯野きり子)わる2って感じ。
この人の演技あんまり好きじゃなかったな・・・他の出演作見てみないとわかんないけど・・・

カーロフさんはもう、どのショットをとっても凄い顔!
なんかこういう、しわしわっとした変な顔の人好きだわー。
というか私はたぶん、こういう「紳士っぽい悪者」がまんまと好きなんですよ。
あとカーロフさんのあの低い声もゾクゾクするし、イギリスなまりもたまんない。
軽くひどい目にあわされたい。
しかしまぁ彼の役柄、狡猾で残忍で悪趣味、演技うまい故に怖かった・・・

精神病院の描写には、ホラーめいた部分も。
檻や格子がつくる深い影、患者の奇声や奇行。
(あっでもパラパラマンガ描いてる人も居た。和んだ)


それでもグロ描写なんかは見せない上品さがありました。
製作のヴァル・リュートンって、キャットピープルとかレオパルドマンなんかと同じ人なのね。
たしかにあれらの映画も、恐ろしい「雰囲気」を、間接的にあらわしていた感じ。
まだ見てないけど『吸血鬼ボボラカ』もヴァル、かつカーロフさん出演!これ次借りよう。

あーでもこれ怖かった・・・
ここら辺も、過剰な演出は一切なくて、カーロフさんの絶叫やなんかもない。
ただ、ゆっくり眼をひらいたカーロフさんが自分の置かれた状況に気づくか気づかないか・・・
あたりでサッと場面が変わるんですね!!
かっこいい!

患者たちによるよくわかんない「裁判」、ラングの『M』みたいだった。
あんな場面なかったっけたしか。


カーロフさん、やっぱり気になる存在だなぁ。
調べたら『暗黒街の顔役』や『肉弾鬼中隊』にも出てたんですね。
そうとは知らず漫然と見ていたわ・・・!要見直し。

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