2014年6月8日日曜日

『真人間』

☆フリッツ・ラング監督/1938年/アメリカ

☆見るの・・・初めて

☆見た場所・・・自宅(シブツタレンタル)

☆なぜ見たか・・・シブコレ100円のときに。ラング作品見たさに


久しぶりにジョージラフトの顔を見た!!
最初に彼を見たのは、『暗黒街の顔役』でコインを放ってるあれ。
雨に唄えばの元ネタこれか!!!というのが第一印象だな・・・
雨に唄えばありきの印象・・・


原題はYou and Me
真人間!かたくるしくておもしろいね。


ムショ帰りのジョージラフトは、デパートに勤めて、真人間へと更生の道まっしぐら。
そのデパートはオーナーの方針で、ムショ帰りの人をたくさん働かせて更生を手助けしてる。
周りの人には、ムショ帰りということは秘密にして。
ジョージラフト、同じデパートに勤めるシルヴィアシドニーとコッソリ恋愛中。
が、実はこの彼女には秘密があって・・・
かたや真人間になろうとしてるジョージラフトに魔の手が・・・というお話。


フリッツラング監督作品は10作見たか見てないかくらいで、
まだまだこれからといったところなんだけど、これはかなりの異色作では??
何するにもお金が必要ー♪みたいな、
よくわからないけど底抜けに明るい歌から映画が始まったのでビックリ!
めっちゃ韻ふんでて楽しい歌。
こんな愉快な歌がラング作品に登場するなんて・・・!
ジョージラフトはなんとなくギャングマン俳優、というイメージがあったので、
なんかもっとギャングっぽい映画を想像してたら・・・!油断した!

ハッピーな雰囲気やコメディタッチにしたいのが伝わってきた。
でもジョージラフトはこれを見た限りでは、あまりコメディ向きではない感じ。
照明のコードに足ひっかけてワタワタ・・・みたいなシーンがあるのだけど、
ジョージラフトって照明のコードに足ひっかけなさそう。
焦ってる姿が似合わない。焦り下手。(聞いたことない)

ラング作品、初めて見たのはスカーレットストリートで(激シブなスタートでしょ)、
復讐は俺に任せろを見てあまりのおもしろさにいかれた。
そうして見たのは仕組まれた罠、M、飾り窓の女、扉の陰の秘密、
暗黒街の弾痕、口紅殺人事件、無頼の谷このあたりでしょうか・・・
無頼の谷を除いてもうとにかくノワール、私のなかではラングといえばノワール。

ということで、このハッピー映画でもノワールがだだ漏れていた!!
シルヴィアシドニーとジョージラフトが軽くいちゃつきながら部屋に帰ってくシーンとかも、
なんか妙に影がクッキリしていて禍々しい!不吉。
感嘆してしまいました。ぬぐいきれぬノワールっぷりに。


でも、ロマンチックで楽しい場面も。
結婚したシドニー&ラフト、新婚旅行にいくんですね。
たくさんの国の旅行パンフレットを貰ってきたラフト、「どこに行く?」
シドニー、「まずは、イタリア!」かなんか言う。どこか忘れたけど。
そしてレストランで楽しくパスタとかを食べる。
要するにお金があまりないふたりは、新婚旅行の代わりに、
各国料理のレストランをハシゴするんですね。
ウィーンいったり中国いったり、お金あまりなくても至福。


あと、ふたりが勤めるデパートで、
エスカレーターの上からラフトが降り、シドニーが下からあがってきて、すれ違う、
その瞬間にふっ・・・とさりげなく手を合わせるショットなんかもあって、好き!!!


このシルヴィア・シドニーという女優さん、
おばあさんになってからビートルジュースやマーズアタック出てたんですねえ。
気づかなかった。

この作品ではなんか変わった女で・・・世話焼き女房というのか?
「犯罪をしても実入りがない」ということを、
黒板にいろんな費用計上とかをして説明するんですね・・・
逃走用のバイクにいくら、警備員を丸め込むのにいくら、
盗むのがこのくらいの額だから、一人頭に換算すると・・・とかいって。
なんたるリアリスティックな女・・・
そんな1ドル単位まで経費を計上するかね、という感じで・・・
顔も独特だし。

「どや?」


そうそうこの人の秘密というのは、実はこの人もムショ帰りなのね。
ジョージラフトには黙ってるけど。
何の悪さをしたのだろう?と考えて少しおもしろい気分に。
なんだろう?万引き?


超楽しいオープニングシーン覧ください。(PCから見れる)

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