2014年10月19日日曜日

『ミイラ再生』

☆カール・フロイント監督/1932年/アメリカ

☆見るの・・・初めて

☆見た場所・・・自宅(シブツタレンタル)

☆怖い映画について書いてみよう第4弾☆


わっ!カーロフさんが愛の言葉をささやいてるとこ、初めて見た・・・!

彼が今回演じるのは、数千年のときを経てミイラから人間に再生した男。
仮名アーダス・ベイ、本名イムホテップ。

もうイムホテップとかいうよくわからん名前からして不気味。
長い布みたいのをダラーンと着用してるのも不審。
途中で3回ほど大写しになる、しわっしわの顔面の強度たるや・・・
スクリーンで見たらのけぞりそう。
(昨年末のヴェーラのクラシックスでかかってましたよね、見逃したーーー)

いいね。いい顔面。

カーロフさんはだいたい何をやってもハマり役に見えるけど、今回もしかり。
再生するミイラがハマり役、という稀有さよ。

その、再生の場面なんかも、手がゆっくり近づいてくる描写とか怖くて巧くて。
そのあと狂いゆく学芸員の声をバックにボロボロの包帯が
スーーッ・・・と廊下に消えてくとこなんて、もうサイレント映画の呼吸。
このある種の緩慢さ(動作も喋りも)が、カーロフさんの味。

イムホテップはじつは数千年前、ファラオの娘と道ならぬ恋に走った結果、
生き埋めにされた高僧だった。
再生した彼は、こんどはその恋のお相手の子孫と結ばれるべくいろいろ手をまわす。

愛をささやいたのち女性の手にキッスするカーロフさん・・・
初めて見たっ。
女性のエキゾチックな雰囲気とあいまって妖しさたっぷり、ぞくぞくしちゃう。
数千年のときを超えた恋なんて、素敵じゃないですか!
純愛ものだよ。

だからラスト、風塵と化すイムホテップは、
不気味なだけでなく哀しくて。
フランケンの怪物もそうだけれど、カーロフさんはこういう、
「はぐれものの哀感」を秀逸に滲ませる。せつない。

ミイラの「粉っぽさ」というか「パサパサな感じ」というか、とにかく乾燥してる感じが
なんかリアリティをもって迫ってくる、怖い!!
顔がおっかないだけじゃなくて風格がある。そしてうまい。カーロフさんは。

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