2014年6月9日月曜日

『ローマでアモーレ』

☆ウディ・アレン監督/2012年/アメリカ、イタリア、スペイン

☆見るの・・・2回め

☆見た場所・・・自宅(地元ツタヤレンタル)

☆なぜ見たか・・・準新作100円だったので、ジェシーくん見たさに


ちょうど1年くらい前にブンカムラで見て、楽しい気持ちになりました!!!


ウディ・アレン監督作品は『マッチポイント』以降は全て封切りで見ていて、
そのなかで私が好きなのは『タロットカード殺人事件』、『ミッドナイトインパリ』、
そしてこの『ローマでアモーレ』。

ウディ・アレン監督作品が好きです!!! ・・・という感じではないと最近思った。
『ブルージャスミン』を見て。
なんかあまりハマらない作品も一定数あるなぁと改めて感じた。
『ブルージャスミン』どうなんでしょうね。みなさんお好きなのかな。私はつらかった。
あとブンカムラでウディ・アレンやるのまじやめてほしい。
あのしゃらくさい雰囲気の客層になんか身の毛もよだつというか・・・
ジャスミンに対して嘲りしか感じてないみたいな笑い声が頻発しててそれもつらかった・・・
自分をかえりみることなんてあの人たちは一生しないんだろうね・・・
お金も時間もあまっている感じなので、せめてサービスデー(火曜日)に来ないで。
なんか私は自分でも驚くほど異様にブンカムラの客層をいやがるね!はは!

ウディ・アレン作品に話を戻すと、
『マンハッタン』なんかは去年見直したら最高にしびれて、愛してるし、
『カメレオンマン』『ギター弾きの恋』なんかは恥ずかしげもなく大好き!!!
バナナも好き!!!
ていうか『ギター弾きの恋』を15歳くらいのときに見て、
わーこんなおもしろい映画があるとは・・・と思って(そのころ全っ然映画見なかったけど)
大学1年生くらいまでは、ウディ・アレン監督最高!!!!!って思ってた。
そんでいろいろ見まくってゴッチャになって、いまやどの作品がどんなんだったか、
あまりおぼえてないや。

そんな複雑な想いをかかえてアモーレ。


これは私の大好きなジェシー・アイゼンバーグ氏がウディ・アレン作品に出演した、
記念碑的作品なんですよ。
すばらしきコラボレーション。
ていうかこれを見て、ジェシーくんに完全にどっぷりになったのかも・・・

ジェシーくんはウディ・アレンのことを尊敬してるらしいんですけど、
たしかに似てる。彼ら。
共通点:ニューヨーク生まれのユダヤ人、小柄、神経質そうに喋る、頭の回転が速い、
多才、男性、書きものをする、マジシャン役をやったことがある、etc.
で、ジェシーくんは本当に無理なく、アレン作品の画面におさまってるんですね!!!
ミッドナイトインパリのオーウェン・ウィルソンなんかは、
ちょっと無理してウディ・アレンのモノマネしてるような感じが漂ってたけど。
ジェシーくんは自然かつ魅力的。
そしてコメディがうまい!
エレン・ペイジのわけわからん話を聞いてるときの豆鉄砲ヅラときたら!!
あと歩き方も好きだし声もすき、髪質も好き。


なんだろうこれ、制作発表?愉快ですね。ジェシーくん素敵・・・


この作品はウディ・アレン自身も出てきて、なんかそれも私は嬉しい!!
やっぱり彼が出てくると楽しい、テンションあがっちゃう。
そして、この作品では、アレック・ボールドウィンもいい味。
ジェシーくんとエレン・ペイジのとこにデカい顔で出てきては、
あつかましく煽るような茶々をいれる、という最高に邪魔でおもしろい役。


助言をするわけでもなく、ただただ茶々いれて楽しんでる感じがおもしろい。

ということで、このジェシーくんのエピソードがダントツ好き~~。

ウディ・アレンのエピソードも、どことなく悲しげでいいですね。
シャワーのなかでしか活躍できない男が、バカバカしくも悲しい。

若夫婦のエピソードは、なんか最後がおもしろい。
クラシックのコメディを見てるようなドタバタな感じが好きです。
もっとやれ!と思っちゃう。アモーレ。

ロベルトベニーニのエピソードはなんか・・・蛇足な感じ。


しかしローマってほんとにこんなアモーレな街なのかな?
なら行ってみたい。
でもルビッチの『結婚哲学』では、たしか
「ウィーンは笑と軽いロマンスが約束された街である」
みたいな字幕が出てたのでウィーンもいいな!

2014年6月8日日曜日

『真人間』

☆フリッツ・ラング監督/1938年/アメリカ

☆見るの・・・初めて

☆見た場所・・・自宅(シブツタレンタル)

☆なぜ見たか・・・シブコレ100円のときに。ラング作品見たさに


久しぶりにジョージラフトの顔を見た!!
最初に彼を見たのは、『暗黒街の顔役』でコインを放ってるあれ。
雨に唄えばの元ネタこれか!!!というのが第一印象だな・・・
雨に唄えばありきの印象・・・


原題はYou and Me
真人間!かたくるしくておもしろいね。


ムショ帰りのジョージラフトは、デパートに勤めて、真人間へと更生の道まっしぐら。
そのデパートはオーナーの方針で、ムショ帰りの人をたくさん働かせて更生を手助けしてる。
周りの人には、ムショ帰りということは秘密にして。
ジョージラフト、同じデパートに勤めるシルヴィアシドニーとコッソリ恋愛中。
が、実はこの彼女には秘密があって・・・
かたや真人間になろうとしてるジョージラフトに魔の手が・・・というお話。


フリッツラング監督作品は10作見たか見てないかくらいで、
まだまだこれからといったところなんだけど、これはかなりの異色作では??
何するにもお金が必要ー♪みたいな、
よくわからないけど底抜けに明るい歌から映画が始まったのでビックリ!
めっちゃ韻ふんでて楽しい歌。
こんな愉快な歌がラング作品に登場するなんて・・・!
ジョージラフトはなんとなくギャングマン俳優、というイメージがあったので、
なんかもっとギャングっぽい映画を想像してたら・・・!油断した!

ハッピーな雰囲気やコメディタッチにしたいのが伝わってきた。
でもジョージラフトはこれを見た限りでは、あまりコメディ向きではない感じ。
照明のコードに足ひっかけてワタワタ・・・みたいなシーンがあるのだけど、
ジョージラフトって照明のコードに足ひっかけなさそう。
焦ってる姿が似合わない。焦り下手。(聞いたことない)

ラング作品、初めて見たのはスカーレットストリートで(激シブなスタートでしょ)、
復讐は俺に任せろを見てあまりのおもしろさにいかれた。
そうして見たのは仕組まれた罠、M、飾り窓の女、扉の陰の秘密、
暗黒街の弾痕、口紅殺人事件、無頼の谷このあたりでしょうか・・・
無頼の谷を除いてもうとにかくノワール、私のなかではラングといえばノワール。

ということで、このハッピー映画でもノワールがだだ漏れていた!!
シルヴィアシドニーとジョージラフトが軽くいちゃつきながら部屋に帰ってくシーンとかも、
なんか妙に影がクッキリしていて禍々しい!不吉。
感嘆してしまいました。ぬぐいきれぬノワールっぷりに。


でも、ロマンチックで楽しい場面も。
結婚したシドニー&ラフト、新婚旅行にいくんですね。
たくさんの国の旅行パンフレットを貰ってきたラフト、「どこに行く?」
シドニー、「まずは、イタリア!」かなんか言う。どこか忘れたけど。
そしてレストランで楽しくパスタとかを食べる。
要するにお金があまりないふたりは、新婚旅行の代わりに、
各国料理のレストランをハシゴするんですね。
ウィーンいったり中国いったり、お金あまりなくても至福。


あと、ふたりが勤めるデパートで、
エスカレーターの上からラフトが降り、シドニーが下からあがってきて、すれ違う、
その瞬間にふっ・・・とさりげなく手を合わせるショットなんかもあって、好き!!!


このシルヴィア・シドニーという女優さん、
おばあさんになってからビートルジュースやマーズアタック出てたんですねえ。
気づかなかった。

この作品ではなんか変わった女で・・・世話焼き女房というのか?
「犯罪をしても実入りがない」ということを、
黒板にいろんな費用計上とかをして説明するんですね・・・
逃走用のバイクにいくら、警備員を丸め込むのにいくら、
盗むのがこのくらいの額だから、一人頭に換算すると・・・とかいって。
なんたるリアリスティックな女・・・
そんな1ドル単位まで経費を計上するかね、という感じで・・・
顔も独特だし。

「どや?」


そうそうこの人の秘密というのは、実はこの人もムショ帰りなのね。
ジョージラフトには黙ってるけど。
何の悪さをしたのだろう?と考えて少しおもしろい気分に。
なんだろう?万引き?


超楽しいオープニングシーン覧ください。(PCから見れる)

2014年6月1日日曜日

『毒薬と老嬢』

☆フランク・キャプラ監督/1944年/アメリカ

☆見るの・・・初めて

☆見た場所・・・自宅(シブツタレンタル)

☆なぜ見たか・・・グラント氏見たさに


愛してるグラント様。

お相手は彼奴は顔役だっっ!!!のプリシラ・レーン。うらやましー。


舞台評論家のグラント氏、二人の伯母が住む家に立ち寄った際、ふとしたことで死体を発見。
どうやらこの伯母どもはいかれていて、
身よりのない老人を毒殺して天国に送ることを慈善と思って1ダースも人を殺してる。
こまるグラント氏、そこへ、グラント氏の兄(札付きのワル)も急に帰省してきて、
大混乱・・・という映画。

グラント氏の兄役にレイモンド・マッセイ、その子分役にピーター・ローレ。

レイモンド・マッセイのやってる役、オリジナルの舞台版では、
ボリス・カーロフさんがやっていたそうな!!!
レイモンド・マッセイは
「整形手術によりこんな顔になったが、カーロフ似を指摘されると激昂する」という役。
この映画、カーロフさんの素敵さに目覚めかけた矢先に見たので、びっっくり。
しかしカーロフ似を指摘されると怒るという設定は失礼。
ピーター・ローレはなんかいろんな役やりますね。


もうとにかくほとんど出ずっぱりのグラント氏が、駆けまわって喋りまくる映画。
すこし空回り気味で気の毒。
さりとて、彼にしかできないアクションそして顔芸としゃべくり芸はやっぱり見事。
彼の「突撃!」には笑っちゃったよ、はは。

こんなカメラ目線演出とかちょっとやりすぎですね。粋じゃない。
私はグラント氏が大好きだからうれしいけど。

なんたる顔。
彼はほんとにコメディが得意だし、
スマートでハンサムでスウィートでセクシーでチャーミングなジェントルマンだな・・・

このキスシーンもすごかった。
プリシラ・レーンを黙らせようと強引にキスしたグラント氏、
喋らせないために口を塞いだままだっこして戸外に急いで連れ出す。
人心地ついてプリシラ・レーンを解放しようとする段にはもう、
彼女のほうがキスに燃えてしまって、グラント氏を離さない。
という、グラント氏特有の。よっぽど素敵な人でないと成立しないパターンの。


ちょっといろいろ詰め込み過ぎでやかましくて、
ひとりで慌てるグラント氏がかわいそうになってしまった・・・
急も急に終わるし。
(え、それで丸くおさまったことになったの??!と混乱)
でもグラント氏ファンはひつけんですね。
なんかほんとに感心しちゃった。彼の芸達者ぶりに。

大好き~。

これ、『新婚道中記』かな。なんか・・・・・・なで肩だね。
ともあれ笑顔がソーナイスっす。

『恐怖の精神病院』

☆マーク・ロブソン監督/1946年/アメリカ

☆見るの・・・初めて

☆見た場所・・・自宅(シブツタレンタル)

☆なぜ見たか・・・準新作100円だったので、カーロフさん見たさに


『黒猫』を見ていらい、ボリス・カーロフさんのことが気になって仕方なくて・・・
 

それと先般読んだジェームズ・キャグニーの自伝に
「ボリス・カーロフ氏は役柄のイメージとは真逆で、本当に謙虚で慎み深い」
みたいな記述があった気がして、いま該当ページを探してたんですけど、
みつからないので気のせいかな?
でも謙虚なのは本当っぽい。なんとなく。


18世紀のイギリス。
精神病院を支配するシムズ(ボリス・カーロフ)は悪辣かつ残忍な冷血漢で、
患者に劇をさせて貴族たちに見せて笑いものにしたり(悪趣味)、
患者の身体じゅうに金箔を塗り固めて皮膚呼吸できなくして死に至らしめたり(謎)、
藁をしきつめた大きい部屋に大勢の患者を収容したり(不衛生)、
とにかく人を人として扱わない。
そんな惨状を変えるよう主張するネル(アンナ・リー)は逆にシムズらの策略により、
その精神病院に患者としていれられてしまう・・・というお話。


アンナ・リーはこんな様子で終始眼を見開いていて、なんかハトみたい。
(ハト+磯野きり子)わる2って感じ。
この人の演技あんまり好きじゃなかったな・・・他の出演作見てみないとわかんないけど・・・

カーロフさんはもう、どのショットをとっても凄い顔!
なんかこういう、しわしわっとした変な顔の人好きだわー。
というか私はたぶん、こういう「紳士っぽい悪者」がまんまと好きなんですよ。
あとカーロフさんのあの低い声もゾクゾクするし、イギリスなまりもたまんない。
軽くひどい目にあわされたい。
しかしまぁ彼の役柄、狡猾で残忍で悪趣味、演技うまい故に怖かった・・・

精神病院の描写には、ホラーめいた部分も。
檻や格子がつくる深い影、患者の奇声や奇行。
(あっでもパラパラマンガ描いてる人も居た。和んだ)


それでもグロ描写なんかは見せない上品さがありました。
製作のヴァル・リュートンって、キャットピープルとかレオパルドマンなんかと同じ人なのね。
たしかにあれらの映画も、恐ろしい「雰囲気」を、間接的にあらわしていた感じ。
まだ見てないけど『吸血鬼ボボラカ』もヴァル、かつカーロフさん出演!これ次借りよう。

あーでもこれ怖かった・・・
ここら辺も、過剰な演出は一切なくて、カーロフさんの絶叫やなんかもない。
ただ、ゆっくり眼をひらいたカーロフさんが自分の置かれた状況に気づくか気づかないか・・・
あたりでサッと場面が変わるんですね!!
かっこいい!

患者たちによるよくわかんない「裁判」、ラングの『M』みたいだった。
あんな場面なかったっけたしか。


カーロフさん、やっぱり気になる存在だなぁ。
調べたら『暗黒街の顔役』や『肉弾鬼中隊』にも出てたんですね。
そうとは知らず漫然と見ていたわ・・・!要見直し。

『恋の秋』

☆エリック・ロメール監督/1998年/フランス

☆見るの・・・3回め

☆見た場所・・・早稲田松竹

☆なぜ見たか・・・この映画が大好きすぎるので!


これはレンタルにないんですよね。おかしなことに。
それでもレンタルありますか?という問い合わせが多いからか、
シブツタのロメールコーナーには
「恋の秋のレンタルはありません!!!」みたいな紙が貼ってあるよね・・・


ロメール監督の作品が好きで好きで好きでもう大好きで、
映画館にかかると万難を排して駆けつけます。
どれもこれもべらぼうにおもしろい!

ロメールの映画を見るために劇場にむかってるときの心持たるや、
大好きなお友達に会いに向かってるときのウキウキ感、はやる気持ちの感じと同じだし、
見た後の充足感たるや、
大好きなお友達とハグ握手ハイタッチなんかしてるときの心境と同じ。

見た後、「ありがとう世界!!!」と叫びたくなりますね。
そこいら辺にいる人にむやみに握手を求めそうになる。

恋の秋も爆裂に好きで、毎回新鮮な感動と喜びが!!!

どうしてこんなに好きなんだろう。ロメール監督の作品が。
女性のうまれつきの(狙ってない、したたかではない)小狡さみたいなところを
びっくりするほどチャーミングに描いてくれて、ありがとう。

今回、併映の『冬物語』は残念ながら開映に間にあわず見られなかったんだけど、
同作品ヒロインのフェリシーがもう私は、ロメール作品のなかで一番くらいに大好きで。
習わずして博識、生来の哲学者。
彼女をめぐる男関係は見ようによってはドロドロ、
凡百の監督ならスキャンダラスに描いてしまいかねない。
けれどもロメール監督の視線はあくまで優しくて、素直。そう素直!!

『冬物語』を見たお友達(男性)が、
「あんな仕打ちをされたらフェリシーを殴りたくなる」とか言ってたけど、
ロメール監督は絶対に殴らないからね。
女の弱さも素直さも小狡さもちゃんと飲み込んでる。
どうしてこんな離れ業ができるのでしょう。
恋愛大国ってこういうことなのか(???)
女心がわかんないよ、という男性は、ロメール作品を研究するが吉。

ロメール監督作品の女性たちはみんな不完全で不安定。
でもそんな自分に嫌気がさして大人なのにポロポロ泣き出したりして、
なんかほんとに愛おしい。他人事とは思えない。

でも感情に寄り添うような演出は全然してなくて、
たとえば悲しい表情のクロースアップとかもなければ、
場面を盛り上げる劇的な音楽とかもない。
遠巻きにながめている感じ。
そのトーンがなんか全体に可笑しみを生んでいる。
ロングショットで見れば喜劇、ほんとそれ。

『恋の秋』は(やっとのことで本題)、中年女性マガリの恋物語。
女友達が、マガリの恋のために奔走する。
いいトシして色恋沙汰でうじうじ悩むなや!
とか誰もいわない。
いくつになっても恋するし、きっとみんなこんな感じなんでしょう。

ヒロインがふたりとも「超絶な美人」でないところもいいな~。
親しみやすい。


もう、ここら辺(↑)の一連のシーン、
あまりの幸せ&可愛らしさで涙が出てきましたよ。
生きててよかった、ありがとうロメールさん。
ちょっとしたすれ違いのあとに来る怒涛の多幸感を、
ワザとらしい感じもあざとさも全く無くほんとに素直に見せてくれる。

あとは自然描写。
これはほんとか知らないけど、秋はロメールがもっとも愛する季節、という噂があって・・・
それも納得の、木々のざわめき光のゆらめき、私はもう身震いしてしまう。

マガリがワイン生産者、という設定も素晴らしく効いていて、
「自然に共鳴する女心」を撮らせたら右に出る者無しのロメール監督ならでは、という感じ。


歴史ものは別として、ロメール監督が撮った作品の多くは、
「大事件」的なことが基本的に起らない。
(大事件的なことの例・・・殺人、不治の病、冤罪、列車強盗、牛泥棒、等)
恋する庶民たち、彼ら彼女らがあるきながら延々喋ってる様子を撮っている。
当事者にしてみたら「大事件」たる恋愛のあれやこれやを。


2014年5月25日日曜日

『黒猫』

☆エドガー・G・ウルマー監督/1934年/アメリカ

☆見るの・・・初めて

☆見た場所・・・自宅(シブツタレンタル)

☆なぜ見たか・・・ウルマー作品見たさに


ウルマーウルマー、そのうちブログがウルマーまみれになるかもー。えへ。
小手調べはこの一本、黒猫。ザブラックキャット。

はは。おっかないポスター。
他にこんなのも見つけた。

ベラルゴシ、ほぼ影。


いやーどれもこれも謎の迫力に満ちてかっこいい。


なんだかわけのわからないお話。もう1か月以上まえに見たし。(私情)
一応原作はエドガー・アラン・ポーの「黒猫」ってことになってるみたいだけど、
映画の筋には原作の面影なし。
共通点といえば「黒い猫が出てくる」このくらいで、
さりとてこの映画における黒猫、それほど重要な役割を果たしていないみたい。
ベラ・ルゴシが極度の猫嫌い、という設定があるのみなので。

きゃあ。

彼の猫嫌いといったら並みのものではなく、扉の影から猫がそーっとあらわれただけで、
動揺のあまり持っていたグラスを床に落として割る。
勢いよく後じさりして家をこわす。
いちいちそんなことされたらグラス代ならびに家の修繕費で家計が大変だよ。
この世で一番の恐猫家はうちの祖母だと思ってたけど(化けて出るとか言ってる)、
全然、ルゴシほどのものではなかったわ。

さておき、ルゴシとカーロフの共演は壮観ですね。
でかい顔vs怖い顔、という感じ。
このふたりを出演させるならもう映画は怪奇的になるよりほかになく、
ルゴシとカーロフの間でゆれる女心・・・みたいな映画は無いだろうね。

また、カーロフがほぼ全編をとおして無表情に徹しているのに比して、
ルゴシは怒ったりこまったり。生皮を剥いだり。(ギャーーーー!)

カーロフの演技はとても妙で、常人のような赤い血がかよってるとは考えにくいほど。
寝てる体勢から起床する時にもよっこいしょの感じが全く無くて、
腹筋つらくない?と思いやりたくなる格好で真っ直ぐ、ゆっくり起き上がる。
でもカーロフなら普段もああやって起床すんだろうな・・・と漠然と思わせるところがまた。
カーロフクオリティ。
そしてカーロフならほんとにあんな感じの妙な家に住んでんだろうな・・・


ストーリーは有って無いようなもの、もう荒唐無稽とすら言える凄みを以って、
不思議な迫力に終始している、怪作。または快作。

2014年4月20日日曜日

『彼奴は顔役だ!』

☆ラオール・ウォルシュ監督/1939年/アメリカ

☆見るの・・・初めて

☆見た場所・・・自宅(シブツタレンタル)

☆なぜ見たか・・・ウォルシュ監督作品を求めて


きゃつ、って、口語で使ってみたい!
やはりきゃつの仕業だったのか・・・という感じで。
もしくは、劇団四季のきゃつ見に行かない?という感じで。(誤用)


ラオール・ウォルシュ×ジェームズ・キャグニー。
『いちごブロンド』や『白熱』よりも前に撮られた作品ですね。
共演は、ハンフリー・ボガート!
前年の『汚れた顔の天使』に引き続いての共演。
ボギーさんはこの時、『マルタの鷹』や『ハイ・シエラ』まで、あと2年というところ。

ヒロインはプリシラ・レーン、よくしらないけど、
グラント氏と『毒薬と老嬢』で共演してるらしいので今度借りてみましょう。

第一次大戦が終わり、キャグニーらが故郷へ戻ってくる。ものの、復職できない。
やむにやまれず酒の密造を始めるキャグニー、財産を築く。
しかし恋は実らないわ、かつての仲間(ボギーさん)とは喧嘩するわ。大変。
という映画。


郷愁に満ちたハードボイルド。
狂騒の20年代を、ドキュメンタリータッチをまじえて描いてる。
キャグニーさんが演じるエディは当時の典型的な人物像らしいけど、
本当だとしたら物騒にも程がある・・・

いい2ショットです。

場面の合間に、当時の社会情勢を説明するナレーションが随所で流れる。
ニュース映画の音声のように無駄がなくキビキビして、
また画面もそれに合わせて実にシャープかつスマートに、
いろんな映像をたたみかけてくる。
ニュース映像のオーヴァーラップがなんともかっこよく、またテンポよく、
よっ、職人芸!!!といったところ。

社会情勢にともなって、キャグニーらの生き方も変わっていく。
生き延びるために酒の密造を始めたはずなのに、
いつの間にかその世界にどっぷり身を浸し、「顔役」になっている。
危険をおかすことに抵抗がなくなっている。

一部の隙もないストーリーテリングに息を巻いてしまう。
そして、なんなら青臭いくらいだったキャグニーとボギーさんが、
自覚せぬまま時代に翻弄されてどんどんヤバい奴らになっていく様に、
切なさとやりきれなさを感じてしまう。
二人の関係性もまた悲しくて。

ラストシーン、勝手にしやがれのよう。
石ころのように投げ出されたキャグニーに注がれるのは、
ウォルシュ監督の冷徹かつ厳然たる視線。
『白熱』のような狂気はないけれど、血のかよったハードボイルドといった感じ。
ウォルシュ!!!!!もっといろいろ見てみましょう!!


そうそう、ヒロインのほかにもう一人、忘れがたい女性が。こちら。
グラディス・ジョージさんという方らしいです。
闇酒場(通称スピークイージー)のママ、終始恬然とした態度でキャグニーを見守る、
貫禄があって、なんかフランスの女優さんみたい。
素敵です。