2014年10月19日日曜日

『光る眼』

☆ジョン・カーペンター監督/1995年/アメリカ

☆見るの・・・初めて

☆見た場所・・・自宅(シブツタレンタル)

☆怖い映画について書いてみよう第8弾☆はやくも最終回!


カーペンター崇拝者のお友達が、
「全身の体液がダダ漏れるほどおもしろい」とかってオススメしてくれたのでいそいそレンタル。
ダダ漏れたい!


カリフォルニアのとある村で、住人たちが一斉に気を失う。
そのあと一斉に意識回復すると、女性たちは全員、妊娠していた。
そんな怪現象を経て同時期に生まれてきた子供たちは全員銀髪、
気に入らないことがあると眼を光らせて邪魔者を排除するおそろしい子たち。
村の人たちは見るにみかねて・・・というお話。


・・・ダダ漏れず!

ごく個人的な事情だけど、最愛のお友達の出産直後にこれを見たので
とっても気分&機嫌が悪くなった!
いやな話!
ほとぼりがさめたら1960年版とともにもっかい見るわっ。

見どころは、一斉に気を失ったときのバーベキューおじさん?
不気味な想像力が光ってた。


カーペンターさんの映画はまだまだ見てないのも多いけど、
暫定的にはゴーストオブマーズとゼイリブが抜きんでて好き。
このまえに記事書いたザウォードも、けっこう怖かったけどおもしろかった!
ホラー映画の活路をなんとなーくカーペンターさんに見出したところで、
怖い映画について書いてみる連投はおしまい。
ホラー/非ホラーの境界はよくわからないまま。
まぁ、定義としてのジャンル分けにはそもそも興味もないしね(元も子もない)。
おもしろければなんでも良い。
ぞうもつ系の映画を荒療治のように見たりは決してしたくないけど、
何かおもしろいものを探していくなかで、
今後どっかで接点を持つ日も来るかもしれない。
あまり期待せずに、でもオープンマインドで過ごしてゆきたいものです。

『吸血鬼』

☆カール・ドライヤー監督/1932年/フランス、ドイツ

☆見るの・・・2回め

☆見た場所・・・自宅(地元ツタヤレンタル)

☆怖い映画について書いてみよう第7弾☆


この映画を見て発狂した人とかいるだろうね。


初めて見たのは4年前の夏の夜、ヴェーラのクラシック特集。忘れもしない・・・
帰途、あんなにビクビクと夜道を歩いたことはないってくらい、
見たあともずっと恐怖にとらわれて。
数日間は仰向けで寝れない症候群に陥った。

そんな怖い思いしたのに「もう一生見るまい」とはならなくて、
なんか惹きつけられるものがあって4年ぶりに鑑賞。いやはや・・・


やっぱり、人生で出会ったなかで暫定ベスト怖い映画だと思った・・・
あまりに怖くて説明できないけど・・・

本体と違う動きをする影が怖い。
とりつかれてしゃくれる女の子が怖い。
そして何より、何よりももう!!!!!死者による主観ショットが怖過ぎる。
ドライヤーのあの感覚!狂ってる。
仰向けで寝れなくなるよあれは。

それでもまたスクリーンにかかる日があれば、私は見に行くでしょう。
濃密、陰鬱、夢幻、映画そのもの。




怖いから動画貼るの止しとこう。

『吸血鬼ボボラカ』

☆マーク・ロブソン監督/1945年/アメリカ

☆見るの・・・初めて

☆見た場所・・・自宅(DVD購入した)

☆怖い映画について書いてみよう第6弾☆


なんかしらないけどボリスカーロフさんの顔を見たくてたまらない時期があった。
顔も見たいし、あの低い声とエラそうな喋りかたで脅されたい、と。
そんで、自分のなかのカーロフブームがほどよく下火になった矢先に、
アメリカンホラーフィルムコレクションみたいな感じで今月新たに出演作がいくつか発売され、
欲しい。。。。。。。

そんな気分でボボラカ。
吸血鬼となったカーロフさんが夜ごと街に繰り出して美女を襲う・・・的なものではなくて、
なんなら吸血鬼でてこないからね。
原題は"Isle of the Dead" 死の孤島?
カーロフさんはイカレ気味の将軍の役。


冒頭、軍のキャンプ地みたいところで、ある兵士を罰するカーロフさん。
(別にたいしたことない、時間通りに動けなかったとかそんなくらいのことで)
カーロフさんはその兵士に黙って拳銃を指し示す、表情ひとつ変えず。
その人は拳銃を手に取ってテントの外へ行き、そこで画面外から銃声一発。
ようするに自害を促して、そいつも即座にそれに従ったということ。
カーロフさんの血も涙も無さを、こんな演出でスマートに見せている。

今回はパーマ気味。


この作品ではカーロフさんの、人をナメくさったような話し方が満喫できる。
もうアイポッドに入れて聴いてたい。
どこ行って何をしててもエラそうなカーロフさん、
そんな彼が徐々に妄想にとりつかれて異常になっていく様子を、
わりあいに静かに描いてる。

しかし今回のカーロフさんは、残忍とかってよりはただただ陰湿で、
自分にワインを注いでくれなかった女の子に目をつけ執拗に恨んだり、
もう、メンドい。
孤島から疫病を持ち出さないために自分を含む全員に島を出ることを禁じる、
それが、正義感から言ってるというよりはなんか島を出たがってるカップルへの嫌がらせ、
当てつけのように見えて仕方なくて、イヤ~~~な感じ。

全体的に怖さはあまりなかったけど、
棺桶に入れられた人が微妙に動いたのには参りました・・・

ボボラカっていう響きもナイス。


いろいろ画像見てたら、こんなヴァルリュートンコレクション発見!
かっこいい!!
http://www.freecodesource.com/movie-posters/B000A0GOEQ--the-val-lewton-horror-collection-(cat-people-the-curse-of-the-cat-people-i-walked-with-a-zombie-the-body-snatcher-isle-of-the-dead-bedlam-the-leopard-man-the-ghost-ship-the-seventh-victim-shadows-in-the-dark)-movie-poster.html

『死体を売る男』

☆ロバート・ワイズ監督/1945年/アメリカ

☆見るの・・・初めて

☆見た場所・・・自宅(DVD購入した)

☆怖い映画について書いてみよう第5弾☆


これはすごい!カーロフ大ハッスル!

顔も怖いんだけど、手の異様なデカさも怖さの一端を担ってることに気づいた。
このポスター作った人もそこら辺をよーくわかってる!ね!

眉ひとつ動かさず殺人をおこなうカーロフさん。
あんな方法の殺しがサマになるってあなた・・・恐ろしい。
緩慢な動きで人を恐怖に陥れることにかけて、この人の右に出る者無し。

あとこの作品では、謎の七三分け。
髪ツヤッツヤ!


演出もシャープで、でも不思議な浮遊感が随所にあってかっこよい!
序盤からさりげない存在感をはなつストリートシンガー(?)が
カーロフさんの魔の手にかかる瞬間の戦慄よ。
死体すら見せず、むしろカーロフさんの顔面すら映さず恐怖の演出をしていて、あっぱれ。
静かに、だからこそよけい不気味に恐怖をあおる。

また、ベラルゴシさんは出演時間はそんな多くないものの、
一筋縄ではいかない小悪党を嬉々として演じてる感。
この作品に奇妙な味付けをシッカリほどこしてる。


ミイラ取りがミイラに・・・というか、悪事に手を染めずにいられない人間、というか、
ストーリーもおもしろいもんでした。
買ってよかった。(紀伊國屋で1000円、おすすめ)


しかしカーロフさんは、こんな役ばっかやらされてどういう気持ちなんだろうね。
ギャングマンとかサディスティックな支配者なんかはまだ良いほうで、
死体を売るだの冷凍人間よみがえるだのフランケンの怪物だの再生するミイラだの・・・
なんか、物凄い周りにしたわれてる役とかやりたかったりするのかな?
(シュガーラッシュ的発想)
洋書だと彼の関連書籍たくさーん出てるんですね。読んでみたい。。

『ミイラ再生』

☆カール・フロイント監督/1932年/アメリカ

☆見るの・・・初めて

☆見た場所・・・自宅(シブツタレンタル)

☆怖い映画について書いてみよう第4弾☆


わっ!カーロフさんが愛の言葉をささやいてるとこ、初めて見た・・・!

彼が今回演じるのは、数千年のときを経てミイラから人間に再生した男。
仮名アーダス・ベイ、本名イムホテップ。

もうイムホテップとかいうよくわからん名前からして不気味。
長い布みたいのをダラーンと着用してるのも不審。
途中で3回ほど大写しになる、しわっしわの顔面の強度たるや・・・
スクリーンで見たらのけぞりそう。
(昨年末のヴェーラのクラシックスでかかってましたよね、見逃したーーー)

いいね。いい顔面。

カーロフさんはだいたい何をやってもハマり役に見えるけど、今回もしかり。
再生するミイラがハマり役、という稀有さよ。

その、再生の場面なんかも、手がゆっくり近づいてくる描写とか怖くて巧くて。
そのあと狂いゆく学芸員の声をバックにボロボロの包帯が
スーーッ・・・と廊下に消えてくとこなんて、もうサイレント映画の呼吸。
このある種の緩慢さ(動作も喋りも)が、カーロフさんの味。

イムホテップはじつは数千年前、ファラオの娘と道ならぬ恋に走った結果、
生き埋めにされた高僧だった。
再生した彼は、こんどはその恋のお相手の子孫と結ばれるべくいろいろ手をまわす。

愛をささやいたのち女性の手にキッスするカーロフさん・・・
初めて見たっ。
女性のエキゾチックな雰囲気とあいまって妖しさたっぷり、ぞくぞくしちゃう。
数千年のときを超えた恋なんて、素敵じゃないですか!
純愛ものだよ。

だからラスト、風塵と化すイムホテップは、
不気味なだけでなく哀しくて。
フランケンの怪物もそうだけれど、カーロフさんはこういう、
「はぐれものの哀感」を秀逸に滲ませる。せつない。

ミイラの「粉っぽさ」というか「パサパサな感じ」というか、とにかく乾燥してる感じが
なんかリアリティをもって迫ってくる、怖い!!
顔がおっかないだけじゃなくて風格がある。そしてうまい。カーロフさんは。

『ザ・ウォード/監禁病棟』

☆ジョン・カーペンター監督/2011年/アメリカ

☆見るの・・・初めて

☆見た場所・・・自宅(地元ツタヤレンタル)

☆怖い映画について書いてみよう第3弾☆


ジョンカーペンターフィルモグラフィーというウィキ項目(英語)見たら
なんかおもしろいことになってた。
http://en.wikipedia.org/wiki/John_Carpenter_filmography
Yesの嵐。
こっちはチェックの嵐。
http://en.wikipedia.org/wiki/John_Carpenter

ザ・ウォード/監禁病棟、カーペンター監督の一番最近の作品。


主演はアンバー・ハード!
ゾンビランドでジェシーくんを追いまわすゾンビの!
今回は逃げる側になりました。

何年か前に『主人公は僕だった』という映画があったようにおもうけど、
あれの逆ヴァージョンですね。
主人公は僕じゃなかった。(悲しい)

クリステン(アンバーハード)は急に精神病院に監禁される。
病棟には同年代の女の子がほかにも数人、仲良くしたりいがみあったりで暮らしてる。
なんで自分がココに・・・早く出してくれ、と医師に楯突くも、
病院以前のほぼすべての記憶を失っていることに気づいて愕然とするクリステン。
そんななか病棟の女の子たちが続々と消えてゆき、
アリスという名のおぞましき亡霊が台頭してくる・・・というお話。

(ひさしぶりにブログ書いたら要約が以前に増してド下手になってる・・・
 おぞましき亡霊の台頭って・・・)

でもほんとに台頭してくるんですよね、おぞましいアリスは。
最初のほうは気配だけチラつかせていたのに。
アリスさん、オバケにしては元気いっぱいで。
肉弾戦をもいとわないし、律儀に車椅子ひいたりもする。

姿勢の良いオバケ。
※顔の画像は、おぞましすぎて載せれなかった

次々とアリスに殺される女の子たちの、死体が出ないのも妙だなーと思ってた。
そしたら、あんなオチだったのね。
主人公は僕じゃなかったのね。
そうとわかったらなんかいろいろ伏線があったような気が、しなくもなくもない。。
そういえば変に小競り合ってたわ、病棟の女の子たち。

ホラー映画の決まりごとがわかってないので、
人によってはオチ読めましたゼ!ってなるんだろうけど。
私は全然。はっどういう意味?!ってなった。


でもオバケよりも怖かったのが、婦長。
見事な三白眼。
こういう怪しげな人物の配し方が混乱を生む。
良い者だか悪者だかわからない医師とかも、いい顔を見つけてくるね。


全体的にはアクション映画の趣で(アンバーさん凄い!!アクションスターみたいな精神疾患者)、
展開がサッサとしていて、精神病院の話なのに情緒を排したところがいい!
今まで一緒に頑張って逃げてたお友達がコンマ2秒くらいで急に死ぬとか、
もう感心。
しめっぽさなんか要らないカーペンター。

この'表向きの主人公'の命題は逃げなきゃ!ということに尽きるのでね、
そのシンプルさが、かえっていろんな楽しい演出を生むのかもしれない。
最後に急に説明的になるので混乱しちゃったけど。
そして、ラストカット・・・はは!!!

病棟の女の子たちのダンスシーンは、
もうこれだけ見るとなんかヌーヴェルヴァーグ作品のようじゃないですか。
ジョン・カーペンター監督に興味が尽きないわ。


『私はゾンビと歩いた!』

☆ジャック・ターナー監督/1943年/アメリカ

☆見るの・・・初めて

☆見た場所・・・自宅(シブツタレンタル)

☆怖い映画について書いてみよう第2弾☆


題名がいい。原題はビックリマークなしのI walked with a zombie


ただここで言うゾンビとはいわゆるあの、お墓から出てきてボロボロで、
みたいのではなくて、
ブードゥー教の呪いをかけられて「生ける屍」と化した人のことをそう呼んでるんですね。
なのでぞうもつを食らう描写とかはナシ。


何かが起こりそうな予感に満ちた、冒頭のモノローグ。
(I walked with a zombie... と始まる)
その予感はどんどん不吉さの印象を強めて、最後まで画面に蔓延する。
影、影、影。影の見事さよ。
詩的ホラーとでもいうべき、甘美で濃密な雰囲気。


主人公の看護婦さんはインド諸島にあるお金持ちの家に派遣される。
そこへは船で向かうのだけど、
ゾンビよりよっぽど無気力に見える男がダメなお経みたいな歌を歌いながら、
果てしなく緩慢な挙措で舵輪を動かす。
68分と短尺ながら、こういう不穏さのちりばめかたが本当に巧い。

そして、ナースとゾンビの恐るべき邂逅!!!
このゾンビ役の人、ただボーっと歩いてるだけなのにこうも恐ろしいのは、
不自然なほど妖しい美人であること、つめたい表情と華奢さ、
そして布の無駄とも思えるほどひらひらしたネグリジェのせいでしょうか。
とにかく終始無言で、まさに生ける屍。

そして、ナースはゾンビの呪いを解くべく、ブードゥー総本家みたいなところへ向かう。
ここの演出も見事!
いつ終わるとも知れないその行程(藪みたいなところ)、
随所に謎の骨や祭祀用具っぽいオブジェが配されている。

左がゾンビ、右がナース。

ブードゥー教のタイコのリズムとか言語とか儀式とか、
そういう呪術的な奇怪さが終始まとわりつく。

終わらない悪夢のような映画で、なにもかもハッキリしない。
でも、それが恐ろしい。
いっそすべてクリアになればどんなに良いことか。