2014年1月20日月曜日

『ラルジャン』

☆ロベール・ブレッソン監督/1983年/フランス、スイス

☆見るの・・・3回め

☆見た場所・・・自宅(DVD持ってる)

☆なぜ見たか・・・オーディトリウムでの上映に行けなかったので!


これは昨年のしめくくりとして、一番最後に見た映画。
オーディトリウムでラルジャンも戦メリもやってたのに、全然行けなかった・・・
名作上映を忘年会シーズンとかぶせるのぜひやめてほしい。


気を取り直してラルジャン。
日本語に訳すとザ・お金(ただしくはジ・お金)ですね!
ロベール・ブレッソン監督の遺作にして最高傑作。

これは私の人生のベストテンくらいに入る作品なので・・・
あまり冷静にどうこう言えるものではないけれど。
至高かつ孤高。心がざわつきっぱなしの90分弱。
一切の感傷や同情・共調を排したその先に、ブレッソンにしか到達し得ない境地がある。

不運と悪意のスパイラル、主人公イヴォンの転落人生。
イヴォンの徹底した無表情と落ち着きが恐怖に拍車をかける。
フツーに生きていた人間が、ふとしたことで悪意に巻き込まれ、守るものも失い、堕ちていく。
ゾッッッとするわ。

この映画は転がりゆくイヴォンの「行為の記録」。真のアクション映画だと思う。
鳥肌炸裂ショットの連続で、BGMとか全くないのに戦慄かつ興奮しまくる!!!
(BGMないけど、雑音とかは強調されてる。ギィーーーーとか)
私的ベストショットは、こちら!!!!!

もう本当に、このショット見たさに、今後何度も繰り返しこの映画を見ると思う。
これと、あと終盤の斧ショット。すごいなあ~~~。

お金は恐ろしい。眼に見えない神とはよく言ったもんだなあ。


本当にこの映画すごすぎて、うまく語ることはできないし、似た映画も無い。
衝撃的、という言葉では弱すぎる作品。