2013年10月21日月曜日

『芝生は緑』

☆スタンリー・ドーネン監督/1960年/アメリカ

☆見るの・・・初めて

☆見た場所・・・自宅(シブツタレンタル)

☆なぜ見たか・・・ケイリー・グラント氏見たさに


グラント氏、ロバート・ミッチャム、ジーン・シモンズ、デボラ・カー。豪華ですね。

ミッチャムさんはどうしても『狩人の夜』のイカレ野郎の印象が強すぎて、
こういう感じの映画に出てくると違和感!
普通に恋愛とかしてるのが不自然!(失礼)
けど、シブくてなかなかいいですねえ。何やっても激巧い。


モーリス・ビンダーによるタイトルシークエンスが一番の見どころかも。
モーリス・ビンダーさんはいろいろな映画のタイトルデザインをやってるみたいです。
007シリーズとか、太陽がいっぱいとか、ラストエンペラーとか!
この映画でも超絶微笑ましいタイトルシークエンスを作られてる。
下の動画、PCから見れます。
闊達に遊びまわる赤ちゃんたち。かわいい!!!
本編への期待がいや増すでしょう!

で、本編はというと、かなりまったりしたトーン。
英語が解れば台詞のおしゃれ感とかも楽しめるんでしょうけど、
いまひとつまだるっこい感じがする。
女性陣の衣装は豪華ですが!!
グラント氏の魅力はおさえ気味。
そうそうー、グラント氏やミッチャム氏をもっと自由に泳がせてほしい感じがしてしまう。

スタンリー・ドーネン監督、『恋愛準決勝戦』とか大好きだけどね。
(なぜなら、アステア様が出てるから)
まぁタイトルデザインは一見の価値ありと思います。

2013年10月15日火曜日

『ロンゲスト・ヤード』

☆ロバート・アルドリッチ監督/1974年/アメリカ

☆見るの・・・初めて

☆見た場所・・・自宅(地元ツタヤレンタル)

☆なぜ見たか・・・もうすぐ、『カリフォルニア・ドールズ』が公開されるので!


私的オールタイムベストのうちの一本、『カリフォルニア・ドールズ』!!
もうすぐ、オーディトリウム渋谷にて日本最終上映されます(詳細こちら!
ロバート・アルドリッチ監督の遺作。
早く見に行きたくてたまらないので、アルドリッチテンションを高めるためにコレを鑑賞。
アメフトのお話ですね。ちなみにルールは一切知らない。

主演を務めるのはバート・レイノルズ。
言うべきことではないと思いつつも言及せずにはいられないのですが、
生理的にこの人を受け入れられない。どうしても。
色黒マッチョで胸毛がワッサリ生えていて物凄いヒゲで、暑苦しいことこの上なし。
なんだよこのポーズ&微笑み。

ブギーナイツのときなんかはもうだいぶ歳を重ねていて、濃度がうすまってきてるのですが、
コレはまさに脂の乗り切ってた時期なので濃度300パーセント、
しかもコイツは、ある美人さんのヒモなんですね。信じがたい・・・
こんな暑苦しい人に家のなかをうろつかれるなんて悪夢もいいとこだ。

そんでコイツはその美人さんを鬱陶しがって(ヒモのくせに)、別れを切り出し(ヒモのくせに)、
女の車をうばって飲酒運転で逃亡。
もちろんお縄頂戴、ムショ行きになる。
ムショ入ってからはヒゲをスッキリ剃って髪も短くするので、濃度が20パーセントくらいは減少。
ねちっこくていやらしい視線やウザい喋り方は変わんないけど。

まぁ見事に私はこの人に対して嫌悪感ばかりをつのらせたので、
最初20分くらい見た段階で「もう見るの止そうか」とも思った。
けど、アルドリッチを信じて、バート・レイノルズばかりに気を取られるのを止して、見ました。


要するに囚人VS看守のアメフト対決の映画。
バート・レイノルズは元アメフト選手という設定で、囚人チームのリーダーを任されるのですね。
囚人がヒーローで看守がヒール、という図式がとってもアルドリッチ。
いい気の仲間をムショ内でドンドン作ってくプロットも。
(看守にウサ晴らししようぜ!的なノリで集まる)

独裁的な刑務所長は、バート・レイノルズに、八百長で負けることを命じる。
負けなければ刑期をいくらでも伸ばしたるよ、と。
でも、後悔しない生き方とは、言われた通りにワザと負けることなのか。
それとも、30年間ムショ暮らしになったとしても、権力に屈しないことなのか。
悩むレイノルズに、トレーナーさん(老人)の鶴の一声がただただ最高。
男の誇りを賭けた闘いが展開される。
そして、意を決したレイノルズさんを、不覚にもステキと思ってしまう。

囚人チームには基本的にかっこいい人がいない。まぁ全員犯罪者ですし。
小汚い粗野なメンバーばかり。
けど、だんだんこの狼藉者たちを応援してしまっているから不思議。


試合のシーンは、本当に肉弾戦といった感じでぶつかりあう。
おもしろい画面分割なんかのおかげもあって、血沸き肉躍ってしまうのですよ。
そして、勝利の瞬間の、大興奮のカットさばきね。
ミーン・マシーン!ミーン・マシーン!!(←大声)
バート・レイノルズの不愉快さは前フリだったんだ、きっと。
アルドリッチのアツい演出に身を任せよう。


  

『ダイヤルMを廻せ!』

☆アルフレッド・ヒッチコック監督/1954年/アメリカ

☆見るの・・・初めて

☆見た場所・・・自宅(地元ツタヤレンタル)

☆なぜ見たか・・・ヒッチ強化中!


『北北西に進路を取れ』でヒッチ先生に開眼して以来、
ほぼ週一のペースで目についたものから無秩序に彼の作品を見てるんですけど、
ビックリするくらいハズレなく、どれもべらぼうに面白いです。
みんな知ってただろうけど。私は今さら気づいたので。

冒頭、レイ・ミランド&グレース・ケリー夫妻の幸せそうな朝が映る。
新聞を読んでいたケリーさん、ある記事に目を留める。
それは、ある船の帰港を知らせるものだった。
場面が変わって港。一人の男(ロバート・カミングス)が船から降りてくる。
また場面が変わって、その男と、真っ赤なドレスに身をつつむケリーさんがキスをしてる。
つまりケリーさんはこの男と不倫をしてるのですね。

ここまでを全く台詞なしに、2分弱くらいでサッサと処理してしまう。
普通なら10分くらいは要するでしょう、というシーンなのに。
こういうシャープさ、かっこよくてシビれてしまう。

で、その不倫に気づいてる夫は、ある男を金で雇って妻殺しを依頼、
保険金をガメよう・・・という恐ろしい計画を立てる。
完璧に見えた計画に少しずつズレが生じ、ほころびが生じ・・・
いちいち絶妙なタイミングで絶妙なハプニングが起こって、演出の妙に唸るのみですよ。

また雇われた男役のアンソニー・ドーソンさんの顔が怖くて。
鋭角!って感じ。鋭角の爬虫類フェイス。
いかにも悪いことしてそう・・・
この人の「最期」はあまりに劇的で、あんなの傍で見たくないわ!かわいそうなケリーさん。
対して黒幕の夫はというと、紳士的で穏やかな魅力あふれる、賢い男性なのですね。
こういう配役も巧い。

不倫相手が推理小説家、という設定が活きてくるんですけど、
この人は正義感という感じで、不倫相手としては魅力を欠いているような。
ケリーさんがそれでいいなら、いいんですけどね、私は。

グレース・ケリーさんは途中まではいい気の不倫妻、ゴージャスで、
いつもながら美しさ満点に光り輝いている!!!
恐ろしい事件のあとは、ひたすらかわいそう・・・美人はそんなに悲痛な顔で泣かないで。
こっちの胸が痛くなる。
迫真の、熱演だと思う。

捜査を進める刑事さんはジョン・ウィリアムズ。
ゆるやかに事件の核心に迫っていく様子は、少しのもどかしさと相まって見逃せない。
なんとなく善良そう、それでいて鋭い、っていう役。素晴らしかった~。

あ、今回のヒッチ先生カメオ出演は、けっこうわかりやすく写真にまぎれてた。お茶目。

 才気煥発、ヒッチコック様の傑作サスペンス。
こんなにも完成度の高い作品ばかり次々と撮りまくっていたヒッチ先生は、
サスペンス映画の神様という呼称に全く恥じないというか、まさにそのとおりという感じ。
正直、一作見るごとにビックリしています。

『タロットカード殺人事件』

☆ウディ・アレン監督/2006年/イギリス、アメリカ

☆見るの・・・2回め

☆見た場所・・・自宅(地元ツタヤレンタル)

☆なぜ見たか・・・ヒューさん見たさに


ウルヴァリンのプロモーションでヒュージャックマンさんがいっぱいテレビに出てて、
この作品のことを思い出したのです。
ウディ・アレン監督がイギリスで撮った作品。
公開時にブンカムラで見て、うきうき気分で劇場をあとにした覚えがあります~。

ウディ・アレン監督は近年いろんな場所で映画を撮っているけど、
ロンドンという土地はそのなかでもかなり、ウディ・アレンさんのカラーにしっくりくる。
(行ったことないけど)
バルセロナ等の太陽さんさん系よりも、薄くくもった空のほうが合っていると思う。
この作品でも雰囲気たっぷりにロンドンを撮ってます。
ヒュー宅の英国庭園なんかも、綺麗。
音楽はチャイコフスキー等のクラシック中心。
そんななかでそれぞれのキャラクターが魅力いっぱいに活動していて、好きな作品。

ジャーナリスト志望のアメリカ人女学生(スカーレット・ヨハンソン)が、マジックショーの舞台にあげられたとき、最近亡くなった有名ジャーナリストの亡霊(イアン・マクシェーン)と遭遇、彼から事件の鍵となるスクープを聞かされる。彼女はマジシャン(ウディ・アレン)と協力し、真相究明に奔走する。 という映画。(ウィキペディアより)


ヒューさんは由緒正しいおうちの跡継ぎで、紳士的でルックスも良くて、それはもう素敵。
一分の隙もないでしょう。スカヨハならずとも恋に落ちてしまう。
悠々たる振る舞いが板についてる。どうしてこんなにも英国貴族然としてるの。

そしてスカーレット・ヨハンソンさん。ジャーナリストの卵。
丸メガネにダサい服装、サバサバしつつも情に流されやすい。
とってもイキイキと演じていて、いい女優さんだなーと思いました。
けど、常にダサい服を着させるわけにはいかないよね、ってんで、アレン流の大サービス。
こんなにも大胆な水着を・・・!
わかってるね、アレン爺。ありがとう。

ウディ・アレンはマジシャン役、スカヨハとともに事件解決に挑む役として、
準主役くらいの出ずっぱり方をしています。
うれしそうにマジックを披露する姿は不覚にも愛らしい。(なんとなく忘年会臭が漂う)
近年の作品では一番彼のしゃべくりを楽しめる。
彼オリジナルの「記憶方法」は、ずるいくらいバカバカしいおもしろさ。
スカヨハともナイスコンビですね!


素人探偵が謎解きをしていく様子がテンポよく描かれて、
そこに各種ギャグとか、ヒューさんとのロマンスとかを盛り込んでくれる。
往年の『マンハッタン殺人ミステリー』の英国版、みたいな趣もありますね。
こういう良作を撮り続けてほしいものです!!

『或る夜の出来事』

☆フランク・キャプラ監督/1934年/アメリカ

☆見るの・・・初めて

☆見た場所・・・自宅(地元ツタヤレンタル)

☆なぜ見たか・・・かねてから気になっていたので


スクリューボールコメディの傑作、みたいに言われてる作品で、
アカデミー賞では驚異の五部門受賞(作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、脚色賞)。
クラーク・ゲーブルさん!キザだぜ!!!
ケイリー・グラント氏のような軽妙さはないけれど、伊達男然としていて、
余裕をかました大人の男性ですね。
あまりコメディ向きではないように思うけど、意外にも笑わせてくれた。

ヒロインはクローデット・コルベールさん。
『青髭八人目の妻』、『パームビーチ・ストーリー』、私にとって思い出深い作品。
かわいらしいコメディエンヌ、タヌキっぽいファニーフェイス。好き。
この作品では世間知らずのお嬢様、きかんぼうといった感じ。
この人は「真顔がおもしろい」タイプの演者だと思う。
同タイプにはジャン=ピエール・レオー氏とかがいるんですけど、
真顔なのにフザけてるみたいな人。
この作品でも、本人は真剣なのになんか笑えてきちゃう、という。

けどヒッチハイクシーンなんかではチラッとスカートをたくし上げるお色気も持ち合わせてる。


このふたりがいがみ合いつつも惹かれ合う、
その様子をテンポ良く、ロマンチックに、鮮やかに描いてる。
カーテンを「ジェリコの壁」に見立てる演出、すごくシャレていて楽しい。
うまいことオチるのが実にいいですね!

ムードたっぷりでアメリカ映画黄金期!という感じの作品でした。

『有頂天時代』

☆ジョージ・スティーヴンス監督/1936年/アメリカ

☆見るの・・・2回め

☆見た場所・・・自宅(シブツタレンタル)

☆なぜ見たか・・・アステア様を崇拝してるので!


そう崇拝。崇めて拝む(あがめておがむ)。
お友達がこの映画の話をしてて、途端に見たくなって借りてきた!

どんな女でも、アステア様と踊ると一瞬でほれてしまう。
アステア様のほかに神なし!!!!!
偉大なるアステア=ロジャース黄金コンビの第6作!!!

アステア様がダンサー役、ロジャースさんがダンスの先生役という設定のおかげで、
ミュージカルナンバーが多く、踊るアステア様を堪能させてくれる、まさに有頂天な幸せの映画。
驚異的としか言いようのないことをいとも簡単にやってのけるアステア様。
「洗練」という言葉は、彼のために存在する。


最初のデュエットパートの軽やかさも忘れがたいけれど、
白眉はやっぱりアステア様のソロ、Bojangles of Harlemでしょう。
黒塗りのアステア様が狂ったように踊りまわる。
これは、黒人タップダンサーのビル・ボージャングル・ロビンソン氏に敬意を表したものらしいです。
シャーリー・テンプルちゃんと踊ってる映像を見たことあるくらいで、
このボージャングルさんのこと、よく知らないのだけれど。
もう、圧巻。あきれるほど素晴らしい。
たくさんの女の子たち(踊りとっても下手)との「吸収ダンス」、スクリーンで見たいなぁ。
そして、自分の影と一緒に踊るところなんて、もう言葉もないよ・・・!これぞ芸術!
この作品のダンスシーンを見て心を動かされない人とは金輪際口をききたくないわ。

また、ストーリーもカラッと明るいラブコメディで、
終盤では爆笑するアステア=ロジャースも見られる。
私はジンジャー・ロジャースの笑顔が大好きです!
(アステア様は言わずもがな。っていうか何してても好き)

コメディリリーフとしてアステア様の友人役にヴィクター・ムーアが配されてる。
インチキっぽいマジシャンで、とっても楽しい。
ムーア氏のお相手役にヘレン・ブロデリックさん、仏頂面が笑いをさそう。

ムーア&ブロデリックと一緒に、4人でのダブルデート、
雪景色のなかでのデュエットがまた美しく楽しい雰囲気で、ソーキュート!!
アステア様の伸びやかな声にうっとり。



花も蝶もアステア、朝も夜もアステア。
完全にアステア様信者です。

2013年10月2日水曜日

『ウェス・クレイヴン's カースド』

☆ウェス・クレイヴン監督/2005年/アメリカ

☆見るの・・・初めて

☆見た場所・・・自宅(シブツタレンタル)

☆なぜ見たか・・・ジェシーくん見たさに


愛ってすごいですよ。
この作品はホラーコーナーにあって、ジェシーくんが出てなければ見向きもしない上に、
万が一見たところでケチしかつけないような内容なんですけど、予想外に楽しめた。愛ゆえ。
クリスティーナ・リッチとジェシー・アイゼンバーグの姉弟はある日オオカミ人間にかまれて、
自分たちも徐々にオオカミ人間と化していく。
早くこの呪いを解かなくては・・・という映画。

オオカミ人間にかまれると、主として次のような変化が。
・生肉を好んで食す(血を求める)
・身体能力が驚異的に上がる
・男性としてor女性としての魅力アップ
・犬にきらわれる

ジェシーくんは男子にはいじめられ、
同じクラスの女の子には「誰ですか?」とか真顔で訊かれるサエない高校生。
けど、かまれてからはカーリーヘア(上の画像参照)をのばしてイケメン風味に。
驚異的な身体能力を発揮してレスリング部の部長を撃退、女の子の視線を集めるようになる。
ゲイの同級生(レスリング部の部長)にまで迫られるほど魅力アップ!

この、ゲイの同級生に迫られるシーンが一番の見どころでした。おもしろかった~。
夜、生肉を食べようとしてるとこに急にピンポーン・・・出てみると例のレスリング部の部長。
「実は俺、オマエが好きだったんだ。オマエもわかってたろ?」とにじり寄る彼。
僕はホモじゃない!とオロオロしまくるジェシーくん、情けない顔と早口が超おもしろい。
逃げるように家のなかに入ると、飼い犬もオオカミ化して、暴れまわってる。
やばい!と玄関を開けると、まだゲイの同級生が!!!「まだ話したいことがあるんだ・・・」
それどころじゃないのだよ!!!
こういう、真剣みを削ぐ演出がけっこうたくさんありました。
ジェシーくんの存在って素晴らしい。いいコメディアンっぷりを発揮してました!

スコップも形相も貴方には似合わないよ。


ウェス・クレイヴン監督のほかの映画を全然見たことがないので、
なんとも言えないけど、この映画に関しては怖くなかったです。
血は出るけど、いかにも作りものめいているから。
ここで出てくるんだろうなぁ~という箇所でご丁寧にジャーンと出てくるから、なんていうか安心。
オオカミ人間も安っぽくて変な感じ。

クリスティーナ・リッチはなんというか・・・姉御肌演技が鼻につく。なんかイラっとする。
そういうキャラじゃないじゃん!すごく違和感。
バッファロー66のときの可愛さは幻だったのか???

ただ、ジェシー・アイゼンバーグファンは絶対楽しめる映画。
犬をかわいがるジェシーくん、
全裸のジェシーくん、
わおーーーん!!!と遠吠えるジェシーくん、
ガタイのいい若者をブン投げるジェシーくん・・・
サエないところとかっこいいところ両方楽しめるし、もう、好きさもいや増しちゃう。


もうすぐ公開の『グランド・イリュージョン』も、
ジェシーくん見たさに劇場まで行ってしまうかもしれません。公式サイトこちら。
彼の長く美しい指から繰り出されるマジックを見たい・・・
TIFFで上映される『ザ・ダブル』も行くつもり!!!


『誘拐魔』

☆ダグラス・サーク監督/1947年/アメリカ

☆見るの・・・初めて

☆見た場所・・・自宅(シブツタレンタル)

☆なぜ見たか・・・ちょっとしたサークブームで


これはシブツタの貴重品コーナーみたいなところにVHSがあるのを見つけ、
いそいで借りてきた。

シャープな囮捜査もの。
懐中電灯で照らされたような粋なタイトルシークエンスから期待高まりまくる。
若い娘が次々に行方不明になる事件が起きる。
その都度、犯行を予告する謎のポエムが警察に送られてくる。
ダンスホールで働いているルシル・ボールは、仲間が犠牲になったのをきっかけに、
警察の囮捜査に協力することとなる・・・という映画。
警官役でチャールズ・コバーンが出ています。
滑稽かつ善良かつふてぶてしい存在感で、とってもいい味。

潜入捜査をするルシル・ボールさんも、メイド服やらドレスやらいろんな衣装を身にまとい、
いきいきと利発な様子で素人探偵やってます。

怪しすぎる男とか怪しすぎる証拠品(?)とか薄気味悪いポエムとか、
スミからスミまで見逃せない。
ルシル・ボールの衣装にまで気をはらってないといけないのです。
ヒッチコックばりのサスペンス!!

のちに撮ることになる『天はすべて許し給う』等のメロドラマとは毛色の異なる犯罪劇。
サークさんの多才さを見せつけられました。

『愛する時と死する時』

☆ダグラス・サーク監督/1958年/アメリカ

☆見るの・・・初めて

☆見た場所・・・自宅(シブツタレンタル)

☆なぜ見たか・・・「発掘良品」シリーズが100円で借りれたので


第二次世界大戦末期のベルリンが舞台の、戦争メロドラマ。
フランス版ポスター、なんか・・・ロマンポルノみたい。

主演はジョン・ギャビン。
いまウィキペディア見て知ったのですが、この人の奥さん(役ではなくて実生活の)は、
コンスタンス・タワーズさんなんですね。
裸のキッスのこの人!
うわ~おっかない。おっかない美人。

ジョン・ギャビン氏は『悲しみは空の彼方に』にも出てたけど、
私はロック・ハドソンさんより好き~。似てるけど、ギャビン氏のほうが暑苦しくないので。

で、ヒロイン役はリーゼロッテ・プルファーさん。
なんとなく幸の薄そうな可憐美少女、という感じ。

このふたりの悲恋物語が、素晴らしいショットの連続で展開していく。
もうどこを切り取っても息をのむしかない。構図の力とライティングの美しさでしょうか。
 
 
豪華なディナーに行くためのよそ行きのドレスをギャビン氏に二着みせて、
一方はすぐに着られるけどもう一方はお直しに30分要するの、どっちがいい?と選ばせる。
ギャビン氏はピンクのドレス(30分待つ)を選ぶ。
こういうささやかな演出に幸福感をにじませていて、うまいですね。

 
 
こういう戦争ドラマはなんともやりきれなくて、悲しいので、あんまり見たくないのが本音。
中盤の美しさ・幸せさとラストとのギャップもすごいので、いよいよ悲しくなってしまいました・・・
 

『風立ちぬ』

☆宮崎駿監督/2013年/日本

☆見るの・・・初めて

☆見た場所・・・イオンシネマ(港北)

☆なぜ見たか・・・予告編見て、おもしろそうだったので!


あんまりジブリ作品を見たことがないです。
トトロとか魔女の宅急便は15年以上見てないので覚えてなくて、
千と千尋とかハウルは、見たけど、意味わからんの一点張りって感じなので、
特に好きな作品とかもない。
ポニョやらゲドやらコクリコやらアリエッティやらは見てすらいない。
なので系統立てて語ったりすることはまったく出来ません!(のっけから言い訳三昧)

けどなんでかコレには興味津々で、わざわざ見にいきました。

映画館で見てよかった~~。
風の表象の美しさよ。緑色にすいこまれるよう。
紙飛行機をとばすシーンもすごく美しくて、好きでした!!

アニメーション自体にも全然詳しくないけど、
ここまで風の視覚化にこだわったアニメーションを初めて見たと思う。
個人的には、ダグラス・サーク監督の『翼に賭ける命』を思い出した。
風にゆれる草原、スカート、髪の毛・・・いちいち描くの大変そうだけど、
作業は報われてますよ。美しい。

手放しに賛辞を贈りたいのはここまでで、あとはフーンって感じでした。
主人公をあまり好きになれなかったのもあると思う。

あとポスターとかに「生きねば」って書いてあったけど、
特に生きねば感はなかったような。

まぁ、あんまりジブリに関して的外れな私見を露呈しまくる前に、黙っときます。
(ジブリマニアみたいな人こわいんだもん)