2014年5月25日日曜日

『黒猫』

☆エドガー・G・ウルマー監督/1934年/アメリカ

☆見るの・・・初めて

☆見た場所・・・自宅(シブツタレンタル)

☆なぜ見たか・・・ウルマー作品見たさに


ウルマーウルマー、そのうちブログがウルマーまみれになるかもー。えへ。
小手調べはこの一本、黒猫。ザブラックキャット。

はは。おっかないポスター。
他にこんなのも見つけた。

ベラルゴシ、ほぼ影。


いやーどれもこれも謎の迫力に満ちてかっこいい。


なんだかわけのわからないお話。もう1か月以上まえに見たし。(私情)
一応原作はエドガー・アラン・ポーの「黒猫」ってことになってるみたいだけど、
映画の筋には原作の面影なし。
共通点といえば「黒い猫が出てくる」このくらいで、
さりとてこの映画における黒猫、それほど重要な役割を果たしていないみたい。
ベラ・ルゴシが極度の猫嫌い、という設定があるのみなので。

きゃあ。

彼の猫嫌いといったら並みのものではなく、扉の影から猫がそーっとあらわれただけで、
動揺のあまり持っていたグラスを床に落として割る。
勢いよく後じさりして家をこわす。
いちいちそんなことされたらグラス代ならびに家の修繕費で家計が大変だよ。
この世で一番の恐猫家はうちの祖母だと思ってたけど(化けて出るとか言ってる)、
全然、ルゴシほどのものではなかったわ。

さておき、ルゴシとカーロフの共演は壮観ですね。
でかい顔vs怖い顔、という感じ。
このふたりを出演させるならもう映画は怪奇的になるよりほかになく、
ルゴシとカーロフの間でゆれる女心・・・みたいな映画は無いだろうね。

また、カーロフがほぼ全編をとおして無表情に徹しているのに比して、
ルゴシは怒ったりこまったり。生皮を剥いだり。(ギャーーーー!)

カーロフの演技はとても妙で、常人のような赤い血がかよってるとは考えにくいほど。
寝てる体勢から起床する時にもよっこいしょの感じが全く無くて、
腹筋つらくない?と思いやりたくなる格好で真っ直ぐ、ゆっくり起き上がる。
でもカーロフなら普段もああやって起床すんだろうな・・・と漠然と思わせるところがまた。
カーロフクオリティ。
そしてカーロフならほんとにあんな感じの妙な家に住んでんだろうな・・・


ストーリーは有って無いようなもの、もう荒唐無稽とすら言える凄みを以って、
不思議な迫力に終始している、怪作。または快作。