☆想田和弘監督/2013年/日本=アメリカ
☆見るの・・・初めて
☆見た場所・・・イメージフォーラム(渋谷)
☆なぜ見たか・・・2007年公開の『選挙』がとっても良かったので
想田監督は自身の映画を『観察映画』と位置付けている。
ナレーションもBGMもないドキュメンタリー映画。
そのなかでは想田監督自身の主張が声高に披露されるわけではなく、
ただただそこにある「事実」を切り取っている、という印象。
予定調和が一切なく、誰にも先の読めないなかで撮影が続くと、
思いもよらないことが起こったり、
思いもよらない発言が飛び出たりしてしまう。
そういう瞬間を余さず映すのが、「観察映画」の面白さ。
『選挙2』では、山さんの息子さん(ゆうくん、3歳)が登場する。
"子ども"という、予定調和の対極にいる存在は、
想田監督の映画にとっても合っている。
先の読めないゆうくんの言動が、作品をよりおもしろくしていると思う。
(何より彼はとってもキュート!!!!!)
たとえば最後、防衛服に身をつつんで街頭演説する山さん。
お父さんが闘っていることを知ってか知らずか、
ゆうくんも険しい顔をして、見えない敵との戦闘を開始する。
これまではそんなそぶりを見せていなかったのに・・・。
ゆうくんが出てくると画面が和むし、今回の影の主役かもしれません。
前作『選挙』では自民党公認候補だった山さん、今回は完全独立無所属。
なんだか吹っ切れたように「怒って」いて、
前作とは比べものにならないくらいよくしゃべる。
その主義主張は映画を見ている私たちには伝わるけれど、
選挙カーもなく後援会もなく街頭演説もほぼしない山さんは、
有権者に存在を知ってもらうのも難しいような状況。
選挙にとって「金」がどれほどの役割を果たしているか、感じざるを得ない。
これ、先日の選挙前に見とくんだったなぁ。
想田監督のカメラは山さんのみならず他の候補者にも及ぶ。
カメラに向かって政治的主張を繰り出す者もいれば、
撮影されることをかたくなに拒否する者もいる。
この、「撮影されたくない候補者VS撮影したい監督」のやりとりは
今回のひとつの目玉だと思う。
選挙という公的な活動を、撮影してはならない理由はどこにもない。
(つまり、たとえ候補者に撮影するなと言われても、
撮影を止める義務は想田監督には無い。)
おそらく候補者側もそれを分かっているのだと思う、
なぜ撮られたくないのかを、だれも理論的に説明できなかったから。
見ている私たちにはとってもスリリングだったけど、
私だったらあんな状況いたたまれないわ。
そうそう、舞台になっているのは、前回同様、川崎市宮前区。
田園都市線の鷺沼~溝の口あたりが映りまくる。
私は横浜市民だけど田園都市生活は長いので、
「あー!あのケンタッキー!」みたいなおなじみ感でも超楽しめました。
あとそのあたりには友達もいっぱい住んでるから、
誰か映らないかなぁ~とついつい眼をこらしてしまった。
見てよかった~~。
日本人全員にオススメ!
公式サイトこちら!!!
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