2013年10月15日火曜日

『ダイヤルMを廻せ!』

☆アルフレッド・ヒッチコック監督/1954年/アメリカ

☆見るの・・・初めて

☆見た場所・・・自宅(地元ツタヤレンタル)

☆なぜ見たか・・・ヒッチ強化中!


『北北西に進路を取れ』でヒッチ先生に開眼して以来、
ほぼ週一のペースで目についたものから無秩序に彼の作品を見てるんですけど、
ビックリするくらいハズレなく、どれもべらぼうに面白いです。
みんな知ってただろうけど。私は今さら気づいたので。

冒頭、レイ・ミランド&グレース・ケリー夫妻の幸せそうな朝が映る。
新聞を読んでいたケリーさん、ある記事に目を留める。
それは、ある船の帰港を知らせるものだった。
場面が変わって港。一人の男(ロバート・カミングス)が船から降りてくる。
また場面が変わって、その男と、真っ赤なドレスに身をつつむケリーさんがキスをしてる。
つまりケリーさんはこの男と不倫をしてるのですね。

ここまでを全く台詞なしに、2分弱くらいでサッサと処理してしまう。
普通なら10分くらいは要するでしょう、というシーンなのに。
こういうシャープさ、かっこよくてシビれてしまう。

で、その不倫に気づいてる夫は、ある男を金で雇って妻殺しを依頼、
保険金をガメよう・・・という恐ろしい計画を立てる。
完璧に見えた計画に少しずつズレが生じ、ほころびが生じ・・・
いちいち絶妙なタイミングで絶妙なハプニングが起こって、演出の妙に唸るのみですよ。

また雇われた男役のアンソニー・ドーソンさんの顔が怖くて。
鋭角!って感じ。鋭角の爬虫類フェイス。
いかにも悪いことしてそう・・・
この人の「最期」はあまりに劇的で、あんなの傍で見たくないわ!かわいそうなケリーさん。
対して黒幕の夫はというと、紳士的で穏やかな魅力あふれる、賢い男性なのですね。
こういう配役も巧い。

不倫相手が推理小説家、という設定が活きてくるんですけど、
この人は正義感という感じで、不倫相手としては魅力を欠いているような。
ケリーさんがそれでいいなら、いいんですけどね、私は。

グレース・ケリーさんは途中まではいい気の不倫妻、ゴージャスで、
いつもながら美しさ満点に光り輝いている!!!
恐ろしい事件のあとは、ひたすらかわいそう・・・美人はそんなに悲痛な顔で泣かないで。
こっちの胸が痛くなる。
迫真の、熱演だと思う。

捜査を進める刑事さんはジョン・ウィリアムズ。
ゆるやかに事件の核心に迫っていく様子は、少しのもどかしさと相まって見逃せない。
なんとなく善良そう、それでいて鋭い、っていう役。素晴らしかった~。

あ、今回のヒッチ先生カメオ出演は、けっこうわかりやすく写真にまぎれてた。お茶目。

 才気煥発、ヒッチコック様の傑作サスペンス。
こんなにも完成度の高い作品ばかり次々と撮りまくっていたヒッチ先生は、
サスペンス映画の神様という呼称に全く恥じないというか、まさにそのとおりという感じ。
正直、一作見るごとにビックリしています。

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