☆見るの・・・3回め
☆見た場所・・・自宅(ビデオ持ってる)
☆なぜ見たか・・・掃除してたらビデオが出てきて
これはもう本当に日本映画の至宝で、
大傑作どころの騒ぎではないと本気で思っています。
役所広司さんは、精神を病んだ妻のお世話をしつつ
難解な猟奇殺人事件を担当する刑事役。
萩原聖人さんは、記憶喪失の青年で、
不思議な言葉でまわりの人間を次々と「導く」役。
(ハギー大好き。)
おふたりの演技合戦の素晴らしさよ!
疲れ切ってヨレヨレ、どんどん追いつめられる役所さんの凄み。
「あんただれだ?」を繰り返し、
甘えたようなささやき口調で相手の心にせまるハギーの謎めき。
さらにはここに、冷静沈着な常識人のうじきつよし氏が加わって、
なんとも充実した「バランス」を、
そしてその「バランス」が壊れゆくさまを、くらくらしながら目の当たりにする。
うじきつよしさんの部屋に「X」マークを見出すシーンなんて、
死体を映されるよりよっっっぽど恐ろしい。
一見穏やかでやさしい人も心の底には憎悪がうずまいていて、
そのわずかな憎悪をハギーが引き出して、殺人というかたちに昇華させる・・・
役所さん自身もハギーと対峙し、内面を吐露することによって、
CUREされてしまう。
ラスト、ファミレスで満足げに食事を終える役所氏にゾッとすること請け合い。
この映画は見終わったあとでも、いくつかの謎が残る。
それが嫌だという人は、もう映画なんか一切見なければいいよと思うわ。
謎がスッキリと解けることの快感なんて、屁でもないよ!
解けない謎にいつまでも戦慄させられる感覚に比べれば。
ああ、それにつけてもハギーって素晴らしいな!!!
かように私はこの作品を崇拝しているけれど、
とにかく極度に怖がりなので、黒沢清監督の作品のいくつかは
いまだに見るのをためらっています。
でも、それは人生における損失かもしれない。
ロフトとか。おっかないけど見たいな・・・
ちなみに、『神田川淫乱戦争』はダイスキ!
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