2013年9月9日月曜日

『浜辺の女』

☆ジャン・ルノワール監督/1946年/アメリカ

☆見るの・・・初めて

☆見た場所・・・自宅(地元ゲオレンタル)

☆なぜ見たか・・・ゲオにルノワールがあるなんて!と手に取った


本当に品薄です、地元ゲオ。
そのくせ、なぜかこまかいジャンル分けをしたがるから、
「ロードムービー」の欄とか10本くらいしか品揃えがないの。
80円レンタルは助かりますけどね!!!

そんな寂しい品揃えのなかに有った、おそらく唯一のルノワール作品。
アメリカで撮った70分強の短い作品です。

ヒロインはジョーン・ベネット。
ラングの『飾り窓の女』や『スカーレット・ストリート』等で、
忘れがたい魅力を放っていた彼女です。
 
哀しい宿命を背負った女の役。
主人公相手によくわからない幽霊話をするなど、奇行もめだつ。
陽・陰で言えば、完全に「陰」の美しさ。

そう、この映画、私が今までに見てきたルノワール作品に比して、
圧倒的に暗くてまがまがしい。
主人公のロバート・ライアン(戦争後遺症っぽい)が冒頭で見る悪夢なんて、
びっくりするほどグロテスク。
そしてしばしば主人公たちを襲う"水難"。
その水は冷たそうで、容赦なく激しくて荒々しい。
この映画には、官能のつむじ風は吹いていないみたい。

ルノワール監督の身に何か悲しいことでもあったのでしょうか・・・?
全員が「不信感」と「孤独」にさいなまれて、悲劇が起きてしまう。

終わり方も妙じゃないですか。
サッサとどこかへ歩き去るロバート・ライアン。
彼の行方はその後、杳として知れないのであった・・・って感じ。
なんだか怖い映画でした。

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