2013年9月9日月曜日

『砂丘』

☆ミケランジェロ・アントニオーニ監督/1970年/アメリカ

☆見るの・・・初めて

☆見た場所・・・自宅(シブツタレンタル)

☆なぜ見たか・・・お友達(アサイー)にすすめられて


アントニオーニ監督作品は『欲望』を5年くらい前に見ただけです。
『欲望』はイギリス、コレはアメリカで撮った作品なのね。

アントニオーニ監督の眼に映るアメリカ像。
ベトナム戦争や冷戦の影、学生運動、機動隊、
開発が進んで豊かになっていく都心と、
変わらない時が流れている、すたれたようにも見える郊外。
大量生産大量消費。
どこまでが現実で、どこからが妄想なのか不分明で、クラクラしちゃう。


ひとつめのクライマックス・・・
偶然出会った若い男女が、砂丘でザリザリ愛し合う。

それはもう、無邪気に。
人外境で繰り広げられる、原始的な行為。
この瞬間には近代文明もクソもない。
しだいに、幻想のなか(?)では、複数の男女がザリザリたわむれている。
なんとなく神話の一部のようにも見える、
バックに流れる音楽とあいまって、変な美しさ。

登場人物(特に主人公ふたり)の振る舞いに、理屈とか意味とかをあまり感じない。
けれども映画全体として見たときに不思議な必然性があるように錯覚しちゃうのは、
なんなんでしょうね。アントニオーニ。


映画が最高潮に達するのは、やっぱりこのラストシーンでしょう。
消費され浪費されるはずのいろんなものが、爆発。
破滅の美学すら感じるこの場面・・・3Dで見てみたい。
ていうか3Dじゃなくてもいいから、映画館で見てみたい!!!

1970年、私はこの世に生まれてないし、
実際のところどういう感じなのかとかよく知らないけど、
時代の気分を感じた。
異邦人にこそ見える、感じる風景なのでしょうか。
イタリー人のアントニオーニ監督ならではの。
(イタリアのことイタリーっていう人かっこいい。ex.若尾文子さん)

あと完全なる蛇足だけど、
この映画に出てくるのはおそらく「砂丘」ではなく「砂漠」ですよ。
鳥取砂丘に行ったときに違いを調べたもん、詳しく覚えてないけど。


こういう映画は人からすすめられない限りあまり自ら手に取らないので、
本当にありがたいですね。映画をおすすめしてくれる人は。
遠くの蓮實さんより近くのお友達、とはよく言ったものですよ。(初耳ーー)
アントニオーニ監督作品、また借りてこよ。

蓮實さんで思い出したけど、「群像」の時評、欠かさず立ち読みしてます。
いま出てる『ポルトガル、ここに誕生す』評が傑作でした。
ポル誕、早く見たい見たい見たい!!


下の予告編動画(PCから見れる)で流れてる、
ピャーーーーーーーって感じの音楽がすごくかっこいいんですけど、
ピンクフロイドさん?かっこいいな!


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